真言宗豊山派仏教青年会

ご挨拶

 

真言宗豊山派仏教青年会
第三十五代会長
福島二号支所  長命寺  茨木祐賢

 

 令和六年四月一日より、第三十五代真言宗豊山派仏教青年会会長に就任致しました茨木と申します。木村前会長より役を引継ぎ、今年度より務めさせていただきます。

 就任にあたっての抱負を述べる前に、本年元日に発生した能登半島地震によって、被災をされた多くの方々、復旧活動にご尽力をされている方々に敬服の思いをお伝えさせてください。一刻も早く平時の生活、日常が取り戻されることを心より願っております。重ねて、様々な課題の解決と事業の発展に向けご尽力されてこられた、歴代会長、諸先輩方に対し感謝を申し上げると共にご功労に深い敬意を表します。貴重な出会い一つ一つと、ご教授いただいた教えが成長の糧となり今日の御縁へと繋がりました。今後は自身が紡いでいく立場として、真言宗豊山派仏教青年会の使命を強く認識し、運営に邁進していく所存です。

 今から十三年前、私が務める福島県浜通りは、東日本大震災によって街や人、産業に甚大な被害を受けました。地震が引き起こした大規模な津波は、原子力発電所事故を引き起こし、住み慣れた土地を追われ生活を建て直すことすら困難な状況となった多くの方々がいらっしゃいました。一瞬で大切な家族や仲間、友人、家や学校、仕事を失った悲しみや苦しみを、私自身も一緒に経験しました。今はこの地を建て直し、懸命に暮らす人々と共に暮らしています。震災を経験した被災者として、人間の脆さと強さを知る一僧侶として「生きる命」を守ることが一番大切。そう感じています。その志を軸に、助け合いのネットワークを全国裾野へと広げていくことが活動の目標です。次世代を生きる青年僧侶たちは災害を学ぶ機会を設けることで、共済や防災への意識が培われるでしょう。そのような場を積極的に設けていくことも、私共の責務と考えている次第です。

 私はこれからの真言宗豊山派仏教青年会を担うため、様々な世代や立場、所在地を超えて各宗派、関係諸団体様との連携が一層強固なものとなるよう努めてまいります。拙文となりましたが、所信表明にて就任挨拶の結びと致します。全国の諸大徳各位におかれましては、引き続きのご理解ご協力と共に、至らない点につきましてご指導ご鞭撻を賜りますよう何卒よろしくお願い申し上げます。