法話

かけだし父ちゃんの、仏教的子育て鼻先思案 1 -こんな子育てがしたい!編-

色摩真了 宝泉寺住職(埼玉県所沢市)/埼玉3号仏青

二人の息子を抱える新米父ちゃんの筆者(僧侶)が、かつてつぶやいた自分のツイートを引用しつつ、子育ての現場から感じた仏さまの教えを綴って参ります。「鼻先思案」とは、まあ、「ちょいと思ったこと」ぐらいでお取り下さい。これから3回、どうぞお付き合いを~。

【お釈迦さまも子育てで悩まれた??】

釈迦には一人息子がいて名をラーフラと言った。ラーフラとは一説には「障碍・束縛」を意味するが、それは釈迦の修行の妨げとなっていたからだ。小さな子供が二人いるとなかなか自分の事ができないと痛切に感じる今日この頃。それでも釈迦は結局自分の息子を愛弟子として可愛がった。私もそうする。(2012.6.29tweet)

ラーフラという名前の意味については諸説定まっていないのですが、一族の長となる身でありながら家族を捨て出家得度を選んだ若き日のお釈迦さまにとって、子どもの誕生が心をざわつかせるものであったことは想像に難くありません。

それでも、お釈迦さまは最終的にその一人息子を愛弟子として迎えます。きっと親としての愛情もあったはずで、『スッタニパータ』というお経には、開祖の実子であることで思い上がったラーフラを、お釈迦さまがいさめる記述も見られます。そんなお釈迦さまの葛藤に、恐れ多くも同じ一人の親として親近感が湧いてしまいました。

【迷惑かけてないからいいじゃん!】

「諸悪莫作・衆善奉行-悪い事をしない、善い事をする」。仏の教えを突き詰めるとこうなるが「迷惑をかけてはいけません」という発想は「迷惑かけてないからいいじゃん」に繋がるので、私はできるだけ「善い事をする」方に注力するようにしている。子供にもそう教えたい。(2012.4.27tweet)

「諸悪莫作 衆善奉行」は仏教の基本です。ただ、「悪いことをしない」ことばかりに目が向きすぎると「他人様に迷惑をかけてはいけません!」という発想に固執しかねないので気をつけたいと思っています。だって、私がそう注意されたら「迷惑をかけなければ良いんでしょ!」って言い返しますもん。

我が子には「悪いことをしない」ことを根っこに置きながらも「善いことをする」ことを進んで実践できる人間になってもらいたいな~。

【親は我が子の専門家】

子供が巻き込まれる事件・事故が多発している。その度にカウンセラーが派遣されるが、ある心理学者の「心の専門家ではなく、そんな時こそ親御さんがお子さんを抱きしめて下さい。」という言葉が印象に残っている。心の専門家や教育の専門家は沢山いるが、我が子の専門家はその親にしか成る事はできない。(2012.4.28tweet)

子育てを続けていけば多くの困難に直面します。自信を失うこともあるでしょう。そんな時、専門家の意見はとてもためになりますが、それは絶対ではありません。だから私は最終的には自分を頼りたいと考えています

それが、お釈迦さまが遺された「自灯明・法灯明」(「自分」と「仏法」とをともしびとせよ)という教えの実践つながると信じているからです。