写仏を始めた人が、必ずと言っていいほど「むずかしい!」と筆を投げたくなるのが、今回お伝えする「円・線の描き方」でしょう。直線を描きたいけど曲がってしまったり、きれいな円を描きたいけどグニャグニャだったり、大変な思いをされたことも多いのでは?
円も直線も、筆で描く線であることに変わりはありません。手が震えてしまったり、墨がかすれてしまったり、一筆ですべてを描くのは無理です。ゆっくり丁寧に、少しずつ書き足していきましょう。
描き足す、といっても、線の切れ目から筆を入れてしまっては、つなぎ目に「太さの違い」が生まれてしまいます。大切なのは、切れ目の少し手前から筆を入れること。筆の入れ具合が、それまでに描いていた線と同じ太さになるころに、新しい部分を描いていけるように足していきます。
円の場合、上から下に描いていく場合と、下から上に描いていく場合があります。どちらにせよ、基本的には震えずに描ける長さの線を描き足し続けることです。しっかりと手を台紙に置いて、描いてみましょう。
直線の場合も(3)と一緒です。しかし、円に比べて上から描くか、下から描くかが、ある程度自分で選べます。個人によって違いますが、自分がきれいに描けるほうを選びましょう。
人の適応力とは素晴らしいものです。描けば描くほど、手が筆に慣れてきます。最初はなかなか綺麗な線が描けなくても、ゆっくり少しずつ描いていきましょう。だんだんと一度に描ける線の長さが増えてきます。でも、大切なのは、慣れても決して乱暴には描かないことですよ。