仏さまを描いていく場合、右利きの人は「左上から右下」へ向かって描き進めていきます。そうすると、手の下に墨が写ってしまうことが避けられます。
しかし、「瞳」だけは、最後の仕上げに描き入れるのがいいでしょう。左上から描いていき、途中で「瞳」を入れると、「仏さまがこっちをみていらっしゃる」と緊張して、筆が進まなくなってしまうのです。
一口に「瞳」といっても、たくさんの描き方があります。仏さまの表情を決める大切な箇所ですので、ゆっくり深呼吸して、落ち着いて筆を入れましょう。
1.眉毛を描きます
2.上まぶたを描きます
3.下まぶたを描きます
4.瞳を描き入れます
仏さまの優しさを表すため、中央部分を少し太めに描くと良いでしょう。筆の柔らかさを生かし、筆の入れ始めは浅く入れ、眉毛の中央で少し深めに筆を入れます。眉毛の終わりに向けて、また浅く描いていくと描きやすいです。
仏さまの瞳は、半眼(はんがん)といって、ほんの少し閉じていて、斜め下を見ているものがほとんどです。ですので、伏し目に見えるよう、下まぶたに比べて、上まぶたを少し太めに描きます。
上の項目にあるように、仏さまの瞳は伏し目です。そのため、瞳は丸ではなく、下の部分が少しだけ広くなるように描き入れると、下を見ているように見えるでしょう。
この他にも、色々な瞳の入れ方があります。たくさん試してみて、一番気に入る瞳を見つけてみてください。
これは、仏さまの瞳の描き方の一つです。瞳を丸く描いたり、眉毛を細く描いても間違いではありません。このコーナーでは何度も繰り返し出てくるでしょうが、そんなことで仏さまは怒りません。描き終えた後に、自分が納得のいく瞳であることが一番大切です。