「過(とが)を許して、新しむる、これを寛大(かんだい)という。」過ちを犯すことは、誰にでも起こりうる、それを許し、何をするかが大切なのです。というお大師さまの言葉です。間違いをしない人間などいないでしょう。それは写仏をしている時も同じです。もし、台紙の線とずれてしまったら、どうしたらいいのでしょう?
写仏の場合は何が大切というと、間違ってしまっても自暴自棄にならず、心を落ち着けて続きを描いていくことが大切です。仏さまはそんなことでは怒りませんから、安心して描き続けましょう。しかし、ちょっとした描き損じの場合、少し描き方に工夫をするだけで、上手くいってしまうこともあります。今回は、そんな方法をご紹介しています。
ヤリを描いている時に線がはみ出してしまった、という状況です。そんな時は、自由な発想をもって、思い切って模様を描いてみましょう。
装飾品の細かい円を描いている時に、線がずれてしまった。そんな時、はみ出した部分を塗りつぶしてみましょう。
第3回の炎の描き方でも同じことをお伝えしましたが、本来は間違わないように、一心に集中して描くことです。しかし、冒頭の様に、間違いを見つめ直し、何ができるのかを考えることも大切なのです。