顔の表情や瞳の形などは、仏さまを描く人の数だけ種類がある。そういわれてもおかしくないほど、描く人によって違いがあるのが写仏です。では、お顔や瞳以外ではどうなのでしょう?
じつは、「指」や「爪の形」も人によって様々です。今回は、そんな「指」「爪」を含めた手の描き方を紹介します。
これまでにも繰り返しお伝えしてきましたが、指を描く際にも、やはり立体的に想像してみることが大切です。衣の重なりとは違い、手の形は真似することができるので、実際に仏さまと同じ手の形を作ってみるのも効果的です。
仏さまの手の多くは、「印」という形を結んでいます。複雑なものもありますが、正確に真似るのではなく、どの指がどうなっているのか、が分かればいいでしょう。
指がきれいに見えるコツの一つに、関節をはっきり描く、というのがあります。しかし、あまりにも強調して描くと、かえって不恰好な指になりますので注意しましょう。
爪を描くときは、指と別々に描くようにしましょう。図のように指を描いた後に爪を描きいれると、立体感が表現しづらくなります。
爪の形には、いろいろな描き方があります。丸い爪・尖った爪・ちょっと深爪などなど。自分の好きな仏画がどのような爪の形をしているかをよく注意して観察し、自分なりの描き方を見つけてみましょう。